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ひろし歯科本通クリニックの公式ブログです。アドバイスや、歯科医療の最新情報など色々な情報を発信いたします。
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親しらずと外科手術について

2018/08/27
ブログ

お盆開けて、まだまだ暑い日が続きますが、皆様体調はいかがでしょうか?
院長の藤田です。
幸い最近は大きく体調も壊すことなく元気に治療することができて楽しい毎日を過ごしております。

今日は、当クリニックの特徴の一つである口腔外科についてお話しようと思います。
私自体、外科を学んでから14年以上たちます。研修医から大阪医科大学付属病院で歯科口腔外科教室に入局し、
研修医~専攻医~大学院生~非常勤医師と研鑽しています。
当時の大学での外科は今とは異なり、本当にがん患者が多くここは歯医者の分野なのかといつも不思議に思うくらいの戦場でした。
入院患者も多く、外来と病棟を走りまくる毎日で日々の変化がせわしく、そして充実した日々でした。
そのため一般で学ぶことができない外科の経験があり、例えば歯でなく頸部、肺や心臓、肝臓機能や腎臓機能など全身管理ができるように
知識と経験を積むことができました。
その間に医者の先生方とも一緒に治療やメンタルのことなど話し合い、一丸となって患者様と向き合うことも多くありました。

その後、親しらず抜歯や嚢胞(膿の袋)摘出、腫瘍切除や抗がん剤治療、放射線治療の経験を積ませていただき、1年1年とその都度
発見、驚きの日々を生活してまいりました。
現在でも非常勤医師として週一回、大学病院にいくことが楽しみでなりません。

さて、当クリニックでの親しらず抜歯ですが、近隣の一般歯科からのご紹介も承っております。
治療の流れについてご説明します。
①初診 診察、レントゲン撮影
②抜歯の予約
③抜歯 必要に応じてバイタルサインチェックをモニター設置して管理
④消毒、抜糸

レントゲン撮影は一般にはパノラマX線撮影といって全体を一枚のレントゲンでみる方法を行います。
上顎の場合、上顎洞との関係。下顎の場合、下歯槽管との関係。をみるために必要に応じてCT撮影も考慮します。

上の親しらず抜歯の時は、上顎の骨の中に上顎洞(副鼻腔)という空洞があります。親しらずや奥歯の根っこは多くが、この空洞に
近接しており、あまり関わりが深いと上顎洞の空洞に穿孔(穴が開く)可能性があります。
実際には骨が開いても中の粘膜(鼻腔粘膜)が開かなければほとんど問題ありませんが、粘膜もかなり薄いため穿孔が大きくなることもあります。
この場合、2㎝以下であれば自然閉鎖しますが、それ以上になると自然に閉じなくなる可能性が高いです。
当クリニックでは、抜歯後すぐに確認し、その状況に合わせて歯肉粘膜を外科的に縫合閉鎖します。

上顎洞に穴が開くと、口の中から上顎洞~鼻の孔まで空洞がつながってしまいます。
口の中の出血が鼻からでたり、感染を強く起こすと上顎洞炎(副鼻腔炎)になったりします。

パノラマX線写真では確認できないことも多いため、当クリニックはCT完備し立体的に確認することで上顎洞と歯との関係性を手術前に
判定することが可能です。

今回は上顎の親しらずについてお話しましたが、次回に下顎の親しらずについてご説明しようと思います。
親しらずに関してご不明な点、治療の相談などお気軽にお声がけください。